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幕内 恵三; Haque, M. H.*; 池田 健一*; 吉井 文男; 久米 民和
日本ラテックスアレルギー研究会会誌, 4(1), p.7 - 10, 2001/01
天然ゴムラテックスの放射線加硫では、タンパク質も放射線で変性し、抽出可能な水溶性タンパク質が増加する。このタンパク質の除去法として、希釈した放射線加硫ラテックスに水溶性ポリマーを添加し、遠心分離器で濃縮することが有効である。また、水溶性ポリマーの分子量も脱タンパク質に影響し、低分子量を効果が大きいことを前回報告した。今回は、低分子量水溶性ポリマーとして重合度が500のポリビニルアルコール(PVA)を使用し、加水分解度の影響を検討した。PVAの添加した放射線加硫ラテックスから流涎でフィルムを作製し、乾燥後フィルムを10分間水洗し、引張強さと伸びを測定するとともに残存タンパク質をBCA法で定量した。脱タンパク質効果は加水分解度の増加とともに増大した。また、引張強さと伸びは加水分解度の低下とともに減少した。この結果から、完全加水分解のPVAが本法に適していることがわかった。
幕内 恵三
放射線利用における最近の進歩, p.87 - 100, 2000/06
高分子材料の放射線加工について解説した。取り上げたトピックスは、橋かけ、分解、硬化、重合、グラフト重合である。最初に放射線高分子化学反応を説明した。放射線橋かけの応用では、電線・ケーブル、タイヤ、発泡プラスチック、熱収縮チューブ、超耐熱繊維、ハイドロゲル、放射線加硫等の実用化例を紹介した。放射線分解では、セルロースや多糖類の最新の情報を紹介した。放射線グラフト重合と放射線硬化では、競争技術について触れた。放射線重合では、カチオン重合性モノマーの高線量率電子線乳化重合への期待を述べた。
Soebianto, Y. S.*; Ratnayake, U. M.*; 幕内 恵三; 吉井 文男; 久米 民和
JAERI-Conf 2000-003, p.49 - 55, 2000/03
天然ゴムラテックスには、たんぱく質が含有し、これがアレルギーを引き起こすことから、近年問題になっている。そこで放射線加硫天然ゴムラテックス(RVNRL)から、水溶性ポリマーの添加と遠心分離との併用によりたんぱく質を除く研究を行った。種々の方法を検討した結果、RVNRLを50%から30%に希釈し、そこに水溶性のポリビニルアルコールを3Phr添加した後遠心分離を行い50%濃度にする方法が最も有効であった。この方法によるとRVNRL中からのたんぱく質は検出限界以下に低減できる。
Haque, M. H.*; 幕内 恵三; 三友 宏志*; 池田 健一*; 吉井 文男; 久米 民和
IAEA-SM-365/17, p.34 - 35, 2000/00
二官能性モノマーの1,9-ノナンジオールジアクリレート(ND-A)を加硫促進剤として使い、線と電子線による天然ゴムラテックスの放射線加硫を行った。ND-Aを5phr添加し、20kGy照射で30MPaの強度をもつ加硫ゴムフィルムが得られた。これをもとに低エネルギー加速器を使い、20のラテックスを210rpmの速度で攪拌しながら照射したところ30分で26MPaの強度のゴムフィルムが得られた。これはゴム製品製造に十分な強度である。ゴムフィルム中のたんぱく質の除去には、ポリビニルアルコール(PVA)のような水溶性ポリマーの添加が効果的であった。たんぱく質除去にはPVAのケン化度には影響されなかった。
幕内 恵三; Upul, R. M.*; Soebianto, Y. S.*; 吉井 文男
日本ラテックスアレルギー研究会会誌, p.31 - 37, 1999/07
天然ゴムラテックス(NRL)の放射線加硫(RV)では、タンパク質も変性し、抽出可能な水溶性タンパク質(WSPR)が増加する。このWSPRの除去法として、(1)RV NRLの遠心濃縮、(2)水溶性ポリマー(WSP)添加RV NRL乾燥フィルムの水洗、の2つの方法を報告した。今回は、WSPとして分子量のことなるポリビニリアルコールとポリビニルピロリドンを使用し、WSP添加と遠心濃縮の併用効果を検討した。最も脱タンパク質効果のあったのは低分子量WSPをゴム濃度30%のRV NRLに添加後遠心濃縮する方法で、重合度500の低分子量PVAを2phr添加し、遠心濃縮したRV NRLからのゴムフィルムは、20分間水洗でWSPRが検出限界(5g/g)以下となった。以上の結果から、WSPRの極めて少ない前加硫ラテックスの製法として、低分子量WSP添加・遠心濃縮法が有効であるとの結論を得た。
幕内 恵三
ポリマーダイジェスト, 51(5), p.43 - 65, 1999/05
ポリマー微小粒子が水に分散したラテックスへの放射線の応用について、NRラテックスの放射線加硫を中心に解説した。まず、ラテックスの放射線橋かけが、水の放射線分解生成物であるOHラジカルによって促進されることを解説した。ラテックスの橋かけは、微粒子内部のポリマーを橋かけし、その後成形する前照射・後成形プロセスであることに特異性がある。天然ゴムラテックスの放射線加硫では、原料NRラテックスや老化防止剤の種類と量、浸せき加工技術等の重要性を指摘した。また、放射線加硫促進剤であるアクリル酸n-ブチルの使用上の注意事項等を詳述した。さらに、放射線加硫ラテックスの物性及び放射線加硫の特長を紹介し、各種放射線加硫施設を概観して低エネルギー電子加速器を線源とする施設の経済性を議論した。
幕内 恵三
ポリマーダイジェスト, 51(4), p.44 - 62, 1999/04
エラストマーの放射線加硫は、研究開発の歴史が長い割りに実用化が遅れている。放射線加硫したエラストマーは使い物にならないというのは迷信であって、放射線加硫でも硫黄加硫と同等の性能は得られ、配合によっては硫黄加硫よりも優れた耐熱性も認められる。放射線加硫の単純な配合と早い加硫は製造コスト削減に寄与する。10MeVの高エネルギー電子加速器を用いれば、比重1.5のゴムで厚さ6cm程度までに均一に照射でき、タイヤの完全放射線加硫も可能である。また、傾斜加硫も容易であり、その物性は興味深い。エラストマーの用途は、タイヤ以外にベルト、ホース、パッキング、引布などさまざまである。それぞれの分野に適した放射線加硫配合の検討が望まれる。
幕内 恵三
ポリマーダイジェスト, 50(11), p.17 - 28, 1998/11
アレルギー抗原物質であるラテックス中の水溶性タンパク質の放射線加硫による除去について最近の研究成果を紹介した。まとめると、(1)天然ゴムラテックスのタンパク質は放射線加硫の過程で分解し、水溶性タンパク質が増加する。(2)タンパク質は放射線分解後もアレルギー抗原を保持する。(3)水溶性タンパク質は、ラテックスを希釈した後遠心分離することにより除去できる。(4)放射線加硫ラテックスにPVAのような水溶性ポリマーを添加すると、リーチングによって水溶性タンパク質が容易に除去される。(5)水溶性ポリマー添加法は、ゴムフィルムのタック低減にも有効である。
幕内 恵三
Int. Rubber Conf. '97 (IRC'97), p.107 - 116, 1997/00
天然ゴムラテックスの放射線加硫に関する高崎研究所の最近の成果を、プロセス及びゴムタンパク質の放射線照射効果の2項目に分けて報告する。プロセスの進歩では、かき混ぜ装置の付いた反応容器によって低エネルギー電子加速器で、大量の天然ゴムラテックスの放射線加硫が可能になった。また、親水性モノマーを塗布した後、低エネルギー電子線を照射し、ゴム皮膜にハイドロゲル被覆をつくるプロセスが開発された。ラテックス中のゴムタンパク質は、放射線照射によって水溶性が増した。この水溶性タンパク質をゴム皮膜から水洗で除去するには、大量の水と長時間を必要とする。また、ラテックスの遠心分離でも完全除去はできなかった。しかし、照射後のラテックスを濃度20%程度に希釈して遠心分離すると、濃縮ラテックス中の水溶性タンパク質の量は、検出限界以下に低減した。
幕内 恵三; 吉井 文男; F.Akhtar*; S.Varghese*; 勝村 傭介*
Proc. of 6th Int. Conf. on Radiation Curing (RadTech Asia'97), p.836 - 839, 1997/00
天然ゴムラテックス工業における低エネルギー電子加速器の利用の可能性について、(1)放射線加硫及び(2)表面改質の両面から検討した。(1)の放射線加硫では、かき混ぜ装置の付いた照射容器を用いることにより、従来は不可能と考えられていた天然ゴムラテックスの大量照射を可能にした。(2)の表面改質では、放射線加硫ラテックスフィルムに親水性モノマーを塗布し、電子線を照射することにより、親水性ハイドロゲルの薄膜をつくり、ゴム表面の粘着性を下げることができた。
幕内 恵三; 吉井 文男; 武井 太郎*; 木下 忍*; F.Akhtar*
日本ゴム協会誌, 69(7), p.500 - 506, 1996/00
低エネルギー(175、250、300keV)電子線による天然ゴムラテックスの放射線加硫を行った。かき混ぜ装置の付いた反応槽方式と回転ドラム方式の2方式について比較した。反応槽方式は、エネルギー利用効率の点でドラム方式よりやや有利であった。一方、回転ドラム方式には、連続照射という特徴がある。反応槽の場合、かき混ぜが不十分であると、粒子間の橋かけ密度が不均一となり、物性低下となる。回転ドラム方式では、照射中に発生するオゾンの除去が必要である。
幕内 恵三
原子力工業, 41(7), p.30 - 35, 1995/00
環境にやさしい高分子材料(エコマテリアル)として、(1)製造時・使用時に環境を汚染しない高分子材料、(2)環境浄化に役立つ高分子材料、(3)廃棄時に環境を汚染しない高分子材料を考えると、(1)と(2)は既に放射線硬化、放射線橋かけ、放射線グラフト重合で実用化が進みつつある。現在最も緊急度の高いのは(3)である。本発表では、放射線加工による廃高分子材料の再資源化・再利用可能な材料、自然環境で容易に分解する材料等の開発の可能性について議論する。
幕内 恵三; 吉井 文男; 百武 健一郎; 久米 民和; 鈴木 健二*
日本ゴム協会誌, 68(4), p.263 - 268, 1995/00
天然ゴムラテックスタンパク質のアレルギー反応に対する放射線照射の影響を、受身皮膚アナフィラキシー(PCA)試験、テックス中の水溶性成分の分子量分布、ラテックスフィルム中の窒素含有量及びタンパク質分子量から検討した。照射ラテックスでは、硫黄加硫のものよりは弱いアレルギー反応が認められた。アレルギー反応の線量依存性は認められなかった。ラテックス中の水溶性成分及びフィルム中の窒素量は放射線照射によって増加したが、1%アンモニア水による水洗で容易に除去された。放射線照射で水溶性の高分子量成分は増大するが、タンパク質の高分子量成分は減少することがわかった。これらの結果から、放射線加硫後もゴムタンパク質は抗原性を有するが、水溶性が増大するため、水洗で容易に除去されると結論した。
C.Wang*; 吉井 文男; 百武 健一郎; 幕内 恵三
日本ゴム協会誌, 68(11), p.788 - 793, 1995/00
アクリル酸n-ブチル(n-BA)が天然ゴムラテックスの放射線加硫促進剤として極めて優れていることを見出した。しかし、照射後未反応のn-BAがラテックス中に残るという問題が生じてきたため、ラテックス中のn-BAの定量法の確立と残留n-BAを減らす研究を行い、得られた知見について報告する。照射ラテックス中にヘキサンを添加すると、残留n-BAがヘキサン側に移行してくるのでヘキサン部をガスクロマトグラフィーにより分析することにより残留n-BAが定量できた。残留n-BAを減らすために、照射後水酸化カリの添加とラテックスの温度を上げてn-BAをブチルアルコールに変換したが、水酸化カリの添加よりも温度を上げる方が効果的であった。
幕内 恵三; 吉井 文男; J.Gunewardena*
Radiation Physics and Chemistry, 46(4-6), p.979 - 982, 1995/00
被引用回数:17 パーセンタイル:82.2(Chemistry, Physical)300keV低エネルギー電子線による天然ゴムラテックスの放射線加硫のため、かき混ぜ装置の付いた照射容器を製作した。容器の直径は20cm、深さは17cmであった。容器上部に冷却槽の付いたビーム窓を固定した。窓の寸法は、1010cmであった。かき混ぜ羽根は容器上部から斜めに装入した。回転速度は可変で、最大は280rpmであった。容器内に3.2lのラテックスを入れ、かき混ぜ速度やビーム電流を変化させて照射実験を行った。300keVの電子線のラテックス内透過は0.2mm程度であるが、照射中に適切に撹拌すると、本法のようなバッチ式照射でも、放射線加硫できることがわかった。しかし、撹拌中に泡が発生すると、放射線エネルギーが泡に吸収され、泡がパンケーキ状に同化することがあり、泡の発生抑制が重要であることがわかった。
幕内 恵三; 吉井 文男; 百武 健一郎
Radiation Physics and Chemistry, 46(4-6), p.523 - 526, 1995/00
被引用回数:1 パーセンタイル:17.52(Chemistry, Physical)ガラス固化体の照射線源利用の可能性を明らかにするため、天然ゴムラテックスの放射線加硫をモデルプロセスとし、安全性と実用性について検討した。ガラス固化体からの中性子によって天然ゴムラテックスの放射化が起きるが、その程度は極めて低く、安全上問題はないことがわかった。小型ガラス固化体による天然ゴムラテックスの放射線加硫実験(線量率は0.1KGy/hr)では、20KGy照射で放射線加硫できた。この線量は、Coによる放射線加硫と比較して、約5KGyほど多かった。しかし、放射線加硫後の天然ゴムラテックスフィルムの強度は30MPa以上であり、日本工業規格を十分に満たすものであった。したがって、ガラス固化体により天然ゴムラテックスを放射線加硫することは可能であり、加硫ラテックスは実用的に十分な性能を持つことが明らかとなった。
H.A.Youssef*; M.M.A.Aziz*; 吉井 文男; 幕内 恵三; A.A.E.Miligy*
Angewandte Makromolekulare Chemie, 218, p.11 - 21, 1994/00
被引用回数:7 パーセンタイル:36.26(Polymer Science)スチレン-ブタジエンゴム(SBR)のスチレン含有量が23.5%と46%について、カーボンブラック(50phr)と酸化亜鉛(3phr)を混練した中にテトラメチロールメタンテトラアクリレート(四官能性モノマー,A-TMMT)を0.025mol/100gゴム添加し、種々の線量照射した。その時の加硫物の物性へのスチレン含有量と酸化亜鉛の影響を調べた。硫黄加硫の補強剤として添加する酸化亜鉛は、放射線加硫に対しても引張り強度や引裂き強度の改善に効果的であった。特にスチレンが23.5%のSBRにより効果的であった。引張り強度最高値は18MPaに達し、この値は酸化亜鉛無添加の20%増である。酸化亜鉛による強度の増加は、多官能性モノマーによる放射線加硫を行った場合のみ顕著であった。酸化亜鉛添加試料は、ゲル分率が高いことから橋かけ密度の増加に寄与している。
幕内 恵三
Ecomaterials (Trans. of Materials Research Soc. Jpn., Vol. 18A), 0, p.721 - 724, 1994/00
天然ゴムラテックスの放射線加硫は、天然ゴムラテックスにアクリル酸n-ブチルを5%添加し、放射線(線)を15kGy照射する技術であり、照射後のラテックスは、ゴム手袋などの製造に使うことができる。放射線加硫は、従来の硫量加硫のような、硫量や酸化亜鉛、ジチオカルバミン酸塩を使用しないため、ニトロソアミンが副成しない。製品の細胞毒性が低い、自然環境下での分解速度が大きいなどの特徴があり、環境にやさしい加硫法である。
吉井 文男; S.Kulatunge*; 幕内 恵三
Angewandte Makromolekulare Chemie, 205(3537), p.107 - 115, 1993/00
被引用回数:9 パーセンタイル:43.82(Polymer Science)放射線加硫天然ゴムラテックスから調製したフィルムの耐老化性を改善するために酸化防止剤の選択を行った。酸化防止剤としては14種類を用い、次の方法により選んだ。放射線加硫ラテックスフィルムで約97%のゲルのある試料を酸化防止剤の共存下で酸素をバブリングし、酸化劣化によるゲルの減少量を測定した。ゲルの減少量が少ないほど酸化防止効果があると言える。その結果、Nonflex TNPとAntage DAHがゲルの低下が最も少なかった。したがって、この酸化防止剤を放射線加硫ラテックスに添加し、フィルムの耐老劣化性を調べた結果、100C、20時間の老化では強度の低下がなく加硫ラテックスフィルムの酸化防止剤として有効であることが分った。また、酸素バブリング法による溶媒抽出は、最適な酸化防止剤を選ぶのに有益な方法であることが分った。
幕内 恵三
Encyclopedia of Materials Science and Engineering, Suppl., Vol. 3, p.1945 - 1948, 1993/00
材料科学百科辞典のために天然ゴムラテックスの放射線加硫について解説した。プロセスの概要、ラテックスの選定、促進剤、加硫メカニズム、硫黄加硫との比較、応用等について述べた。